当社は、工場の排ガス処理に活用できる、上海斐腾科技公司(F-Tech社)製耐熱セラミック触媒の販売を開始しました。
工場からの排ガスに含まれる有害物質(VOC:揮発性有機化合物)は、健康や環境に悪影響を及ぼす可能性があります。この有害物質を処理する手段として「RTO(蓄熱式排ガス処理装置)」が活用されており、800℃以上の高温で燃焼することで無害化します。一方で、その燃焼工程には「燃料費の増加」「CO2の増加」といった課題があります。その課題に貢献するのがRTOに搭載する「耐熱セラミック触媒」です。この触媒には、(株)村田製作所が開発した、有害物質を効率的に処理することができる材料が使われています。この耐熱セラミック触媒によって、VOC排出抑制とコスト削減の両立が期待できます。
当社は、数十年に亘りアジア地域を中心に、東ソー㈱製酸化ジルコニウム製品(ジルコニア)を販売してきました。東ソーは1980年代にジルコニアの量産化に成功し、ファインセラミックス分野で世界トップシェアを維持しています。2021年には、従来(1,500℃)よりも低温(1,250℃)で焼結できるジルコニア『Zgaia™』シリーズを開発し、焼成温度の低下によりCO2排出量の低減が期待できます。
また、東ソーは、従来のジルコニアでは焼結体を得ることが不可能であった、低イットリア(Y2O3)添加のグレード『Zgaia™ 1.5Y-HT』の開発に世界で初めて成功し、高強度と高靭性の両立を実現しました。これにより新たな機能が発現し、今後様々な用途での活用が期待されます。当社は今後も革新的な技術開発に寄り添い、ジルコニアの用途と市場を拡大していきます。
ワインパミスはワイン醸造時に残るブドウ果皮で、山梨県では年間1万トン以上が産出されていますが、多くが産業廃棄物として焼却処理されています。
当社ではそのワインパミスを再利用できる方法がないか模索してきました。
試行錯誤を重ね、パートナー企業協力のもと、ワインパミスを水蒸気蒸留して抽出したワインパミスエキス(香料用途)を開発し、
2022年より飲料メーカーへの提案を進めています。
このエキスは、フレーバーに添加することでワインの風味を豊かにする効果や、柑橘フレーバーを引き立たせる効果が確認されています。
一方で、ワイナリーやブドウ品種、季節要因等により、入手できるワインパミスの特徴が異なる為、品質の安定化が難しいという点が今後の課題です。
引き続き改良を重ね、アルコール飲料やノンアルコール飲料への採用を目指して活動を続けていきます。
当社では、1980年代から主に自動車業界向けダイカスト用マグネシウム合金の輸入販売を行ってきました。市場が拡大する一方で、部品製造の際に生じる廃材のリサイクルや残渣の廃棄方法を提案しきれていないという課題がありました。
この課題を解決するために、当社は1999年に老舗の金属再生事業者であった、小野田商店をパートナーにして、岐阜県土岐市にマグネシウム合金を再生する小野田森村マグネシウム㈱を設立し、国内でのリサイクル・廃棄フローを確立しました。
マグネシウム合金地金
再生マグネシウム地金を製造することで、新材を製造するよりも、使用するエネルギーとCO2の発生を大幅に削減することができ、環境負荷の低減に貢献しています。2008年にはタイのチョンブリ県にもマグネシウム再生工場を設立し、新たな雇用を創出しています。
当社の取り組みが日本貿易会発刊の
「SDGsと商社」に掲載されました。
著:一般社団法人日本貿易会
「SDGsの達成に向けた商社の取り組み」
特別研究会
当社では、Colibrium Additive(旧名 GE Additive)傘下のAP&C(加)社の3Dプリンタ用金属粉末を日本・韓国で販売しています。
Additive Manufacturing(積層造形、3Dプリンティング)でのモノづくりによるメリットはSDGsとの親和性が非常に高いことです。
その例として、
❶ 製造工程における廃棄材料の削減
❷ 在庫部品点数の削減、地産地消
❸ サプライチェーンの短縮・簡略化(コストダウン、炭素削減)
❹ 生産効率の向上・最適化(DXとの親和性)
❺ AMでしか達成できない高品位な部品製造により産業・技術革新への貢献などが挙げられます。
金属素材では航空宇宙・医療・金型等で既に上市され、自動車でも量産技術として検討されています。樹脂素材ではコロナ禍の医療物資不足を補う技術として大いに活用され、様々な分野で持続可能な社会の実現向けた有力な技術として実用化への取り組みが加速しています。
▲ GE Aviationが量産するAdditive Manufacturing
を適用したLEAPエンジン用燃料ノズル
当社では、トイレタリー製品、車載バッテリー部品、文具等の用途向けに再生樹脂を販売しています。再生樹脂は、一度成形されたプラスチック製品を粉砕、洗浄、分別、脱水、配合、押出造粒といった様々な過程を経て出荷となります。そのため、原油からつくるバージン原料に比べ価格が高く、市場への普及がなかなか進みませんでしたが、昨今では環境意識への高まりやリサイクルコストの低減などを背景に、需要が拡大しています。
当社は新たに、安全性などの品質の観点から再生樹脂の活用が進んでいなかった洗剤の容器やエアコン室外機、洗濯機パン等の用途に着目し、更なる販売拡大に向けて活動していきます。
TCT Japan 2022ー3Dプリンティング&AM技術の総合展ーへの出展にあたり、「CO2ゼロ展示会制度」を活用しました。
同制度は主催者であるJTB Communication Design社が2022年に初めて導入した制度です。具体的にはグリーン電力証書を利用したカーボンオフセットにより、展示ブースで利用される電力を実質CO2ゼロに置き換えるというものです。
展示会への出展機会が多い当社として、同制度の活用によりSDGs・カーボンニュートラルへの貢献をはじめとするサステナビリティ活動を身近なところから推進・継続していきます。